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図解でわかる「骨の老化」

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目次

骨の老化ってどういうこと?

骨といえば硬いカチコチしたものと思いがちですが、実はただ固いだけのものではなく、内部では多数の骨細胞があり、血管も通っています。

まずは骨の構造から。

  • 外側は固くて外部からの衝撃から守るための「皮質骨(ひしつこつ)」
  • 内側は比較的柔らかく体の動きにあわせて力を分散させれるよう水分を含んだ海綿スポンジのような「海綿骨(海綿骨)」
  • その内部は血液の成分をつくる「骨髄」という構造になっています。

外側の骨はその名の通り、緻密な固い骨で、水分をほとんど含みません。そのかわり内側の海綿骨は比較的柔らかく、25%も水分を含んでいて、その二重構造のおかげで硬さと柔軟性があってしなやかな骨になります。

水分のほとんど含まない枯れ木を思い出してみてください。ポキっと折れてしまいますよね。でも水分の含んだ生き生きした木を力をいれて折ろうとしても「しなっ」とは曲げられるけどなかなか折れません。これは固いだけでなく柔軟性をもっているから強いんです。

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骨の働き

  • 体を支える
  • 大型カルシウム貯蔵庫
  • 骨格を形成して内臓や脳を保護する
  • 血液の成分をつくる

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骨の日常の業務

古い骨を壊し、新しい骨をつくって健康で丈夫な骨であり続けるため、日々壊して修復を繰り返します。

古い骨を壊すことを「骨吸収」といい、骨を壊す細胞は「破骨細胞」。

壊れた骨を修復し、新しい骨をつくることを「骨形成」といい、骨を形成する細胞は「骨芽細胞」です。

こうやって破壊と再生を繰り返すことを「骨のリモデリング(再構築)」といいます。

骨芽細胞と破骨細胞の連携プレー

骨細胞は、骨が損傷を受けたりして再生する必要ができた場合は「骨芽細胞」としてカルシウムを含む固い物質を分泌して骨を作り、出来上がったら活動停止します。

骨が折れても再びくっつくのはこのおかげですね。

また、骨はずっとそのままというわけではなく、骨を壊す「破骨細胞」(はこつさいぼう)という細胞が血液中のカルシウム不足の時などに、骨を壊してカルシウムを供給します。

骨が壊れたらまた休憩していた「骨芽細胞」が活動を開始して骨を再構築。こうやって骨は定期的に新しくなっています。

 

で、

骨の老化とはこの二つのバランスが崩れること。

加齢や様々な原因によって、破壊する破骨細胞の方が活発になって骨をつくる骨芽細胞が追いつかない状態になることです。

 

壊すばっかで、修復が間に合わないとどうなるの…!?

骨の中がスカスカになって、もろくなり骨折しやすくなります。
また一旦骨折してしまった骨が治りにくく果ては寝たきり状態へと導いてしまうんです。

骨粗しょう症」をまねきます。

骨粗しょう症については過去記事をご参考に。

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骨の老化の原因は?

順調ならば、骨が「壊しては修復」をくりかえすことによって、1年間に約20~30%ずつ骨は新しくなっていると言われています。もちろん、それはいつまでも続きません。残念ながら、20代〜30代までの成長期までのことです。

若くて健康な時はバランスよく活動してくれるんですが、特に50代女性はカルシウム不足になりやすく、骨をつくる骨芽細胞が間に合いません。破骨細胞の活動ばかりががさかんになって骨がスカスカになってしまうんです。

だんだんと、骨を壊す細胞の方が骨を形成する細胞より上回ってしまいます。ではなぜ、骨の老化が進むのか。

骨の老化の原因としては

  • 加齢
  • 閉経している女性である
  • 日光に当たらない生活をしている
  • カルシウム、ビタミンD、K不足
  • 不規則な生活習慣
  • 運動不足
  • 喫煙
  • お酒の飲みすぎ
  • 遺伝要素
  • ストレス

中でも特に気をつけたいのが50歳以上の女性です。

50歳以上の女性が骨の老化に注意しなければいけない理由

50歳前後はちょうど閉経の時期で、女性ホルモンである「エストロゲンの分泌」が急激に減少してしまうからです。

女性ホルモンの1種、「エストロゲン」にはどんな働きがあったのかというと、

エストロゲンの働き

  • 骨を壊す「破骨細胞」の働きを抑え、新しい骨をつくる骨芽細胞の働きを活発化させる。
  • ビタミンDを「活性型ビタミンD」への変化を助け、腸菅でのカルシウム吸収を助ける
  • コラーゲンの生成を助ける
  • 美肌を保つ
  • 善玉コレステロールの生成を助け、悪玉コレステロールを減らす

 

こういう女性ホルモンの「エストロゲン」の恩恵が得られなくなってしまうということです。

50歳前後の閉経によって女性ホルモンの「エストロゲン」はまさに10分の1の量になってしまいます。女性の体のしくみとして大切な骨を維持するために大量に分泌されていたエストロゲン。それが激減することによって骨量も低下、「骨粗しょう症」にもなりやすいんです。

エストロゲンの減少は人間の自然現象なので食い止めることはできませんが、少しでも骨の老化を食い止めるためにどうしたら?

骨の老化予防方法

 

老化と加齢は違うってご存知ですか?どこがちがうのかというと、

加齢というのはオギャーと生まれた時から命が尽きるまでの時間の経過による暦の年齢

時間の流れはみんな同じで差はありません。誰でも同じ。

老化というのは人間の成長のピークが終わり、年を重ねたことによって生きていく上での体の機能が変化すること。

例えば「呼吸をする、心臓を動かす、体温を保つ」などの生きるための身体機能が変化するということです。これは毎日の食べ物や生活習慣によって個人差がおこります

同じ年齢なのに老けた人と若々しい人がいますよね。加齢はどうしようもできない時間のスピードですが、老化はその人の努力次第で老化のスピードを緩めることができるということなんです。

老化の進み具合は努力次第で遅らせることができる。

調子が悪くなっても「がまん、がまん。」「病院に行く時間なんてない」「年だから仕方ない」「もう手遅れ」と年を重ねる人と、自分の生活リズムや体調を早めに対策をとって「しっかり治療しておこう」「体は大切に」「散歩をはじめよう」と前向きな生活をしている人では10年、20年後、「老化の進行」には大きな差が出るのはあきらかですよね。

 

さて寄り道が長くなりましたが、骨の老化予防するのは

  1. 早期発見対策自分の体を知る。
    地域や企業がおこなう骨密度検査
  2. 骨を強くする食事をとる
    カルシウム、ビタミンD、Kを意識してとり、バランスの良い食事
  3. 適度な運動
    骨を強くする運動、ストレッチ、散歩などを習慣化する
  4. 日光に当たる
    紫外線に長く当たる必要はありません。手のひらを1日15分くらい日光にあてるだけでも効果あるそうです。

早期発見対策自分の体を知る。

骨の老化は「自覚症状」はほぼありません。40歳を過ぎたら年に一度は骨密度検査を。

検査方法は

  1. 手の骨をX線で撮影して測定する「MD方法」
  2. 超音波を使ってかかとの骨を測定する「QUS法」
  3. X線とコンピューターによる「デキサ法」

の3つがあります。比較的手軽に計れるので保健所や定期検診では手やかかとで測定する1、2の方法をしますが、デキサ法に比べると精密さにはかけます。しっかり調べたい時はデキサ法をおすすめします。事前にデキサ法の検査ができるかどうか問い合わせしてくださいね。機械を導入していない病院もあるので。

骨を強くする食事をとる

バランスの取れた食事は大前提ですが、特にカルシウムは思春期並みに取る努力が必要です。

カルシウムは1日800mg

もしサプリなどから取る場合は過剰摂取に注意。
薬やサプリメントからの摂取量は1日500mgを超えないように。

ビタミンDは魚によく含まれています。カルシウムの吸収を助けてくれます

ビタミンKは納豆や青菜に多く含まれ、カルシウムが外へ流れ出るのを防いでくれます
骨を強くする食事については「骨を強くする食べ物」記事をご参考に。

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適度な運動

ウォーキングやストレッチなど、適度な圧力をかけることで骨は強くなります。かかと落とし、踏み台昇降などちょっとの合間にできるストレッチを身につけておくと骨のアンチエイジングにばっちり。

日光に当たる

光にあたることでビタミンDが体内で合成されるんですが、加齢とともに皮膚でビタミンDを作る力が弱まります。紫外線も当たりすぎるとよくないので手のひらを15~30分日光に当てるという形でも大丈夫です。あとは普通の日常動作で日の当たる機会があるので特にビタミンDのために太陽のもとで延々とさらされる必要はありません。

まとめ

女性にとって50代という年齢はまさにターニングポイント。いままで若さと気力で乗り切っていたようにはいかなくなりました。それは自然に仕組まれた体のしくみであるので素直に認め、第二段階の「体のメンテナンス」で身体を生まれ変わらせましょう。

体の骨組が弱くもろくなったらカラダ本体もガタガタしてしまいます。骨のアンチエイジング、始めましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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