「曜変天目茶碗」が本物か偽物かとっても気になる〜んですが、こうなったら曜変天目茶碗の本物を見たいと思いませんか?
世界に3つしかないという美しい「曜変天目茶碗」本物を目にするのにはどうしたらいいか調べてみました。
曜変天目茶碗「偽物説」のきっかけとできごと
まずは「曜変天目茶碗」が本物か偽物かとこんなに話題になった経緯からざっくりお話しします。
テレビ東京の超人気番組「なんでも鑑定団」の12/20放送でのできごと。
徳島県のラーメン店主が鑑定に依頼した「曜変天目」らしき茶碗。
「曽祖父が戦国武将の三好長慶の子孫から購入したもの」ということでした。
そこで鑑定団の大御所「古美術研究家」の中島誠之助が、本物と鑑定。
世界に3つしかない「曜変天目茶碗」の4つ目ということで「世紀の大発見!!」となりました。
鑑定金額は「2500万円」(ちょっと微妙な価格ですね…)
そこで新聞などにも取り上げられ「今世紀最大の大発見!」と騒がれたのですが、他の専門家から次々と疑問が投げかけられ、現在は「本物か偽物か」宙に浮いた状態になっています。
鑑定団の「曜変天目茶碗」偽物かもしれない理由
曜変天目茶碗研究家である長江氏が指摘する「曜変天目」の本物ではない理由は大きく3つの点をあげています。
「曜変天目」の本物との比較
鑑定されたものは外側に大きなまとまった模様がある。
本物は外側に模様はなく、あってもぽち、ぽちとしたもの。こんなにまとまった模様があるのはおかしい。
右写真 出典:静嘉堂文庫美術館
内側の模様が明らかに違う。
今回話題の茶碗の内側は雲が切れたような模様が全体に散らばっているが本物は7色に光った模様が点在。
右写真 出典:藤田美術館
茶碗の裏に「供御」と彫られている。偽物を作る場合によく使われる手法で、宮廷など天上人に納められた特別なものですよというスペシャル感をだすためによく使われる手法。現在ある本物の曜変天目茶碗にはない。
※↑この画像は「供御」の参考写真です。鑑定団のものとは別です。
それぞれのコメントは?
この国宝級の大発見のニュースは各分野の専門家から次々と異論が飛び交いました。
曜変天目一筋に研究してきた長江氏にとって鑑定団の「鑑定結果」は驚くべきもの。なぜなら出来栄え的にも判断材料のもろもろを考慮してもお土産物以下のものだったので「なぜこれを本物と鑑定したかわからない。そしてもし本物なら数億するものであるから2500万円というのもおかしい。」と違和感がぬぐえなかったそうです。
また依頼人の入手ルートである祖父母が買ったという戦国武将三好永慶がこういう茶碗に興味を持って集めていたなどの資料もないそうで、入手ルートという点でも疑問が残ることとなりました。
何でも鑑定団の番組からのコメントは
「番組独自の鑑定である」とのことで、ことの真相はこのまま宙に浮くのでしょうか。
また、鑑定依頼した徳島のラーメン店主さんは何も悪くないのに誹謗中傷が殺到し、「そっとしておいてほしい」というコメントを出しています。
そして驚きの鑑定結果を判定した中島誠之助さんは「ノーコメント」。
それぞれ大変なことになっている様ですが、大好きな番組なだけにちょっと残念。
国宝級の発見か否かとの大きな境目なので再鑑定してほしいですよね。
もし間違いならその旨の説明をしてもらったほうがすっきりするのになぁ〜と私は思いました。
誰にでも間違いはあるんですから間違いか否かより後の対応のほうが大事ですよね。
で、
今回大きな話題になった「曜変天目茶碗」ぜひ本物をみたいという興味が湧いてきた人も多いのではないでしょうか?
本物の曜変天目を見るにはどこで?調べてみました。
曜変天目の本物を見たい。
世界に3つしかない国宝級の曜変天目茶碗の本物が所蔵されている場所は3箇所。
- 東京 静嘉堂文庫
- 大阪 藤田美術館
- 京都 大徳寺龍興院
東京で本物の曜変天目茶碗を見たい〜静嘉堂文庫
静嘉堂文庫の所蔵する「曜変天目茶碗」は、元は徳川家の所蔵のもの。子孫に受け継がれた上、三菱財閥の岩﨑小彌太が購入所蔵。
出典:静嘉堂文庫美術館
国宝7点を含む約6500点の東洋古美術品を収蔵。
午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
〒157-0076 東京都世田谷区岡本2-23-1 静嘉堂文庫美術館
公式ページはこちら
常設展示はなく、展覧会期間以外は休館ですので公式サイトでご確認ください。
大阪で曜変天目を見たい〜藤田美術館
水戸徳川家に伝えられたもの。藤田財閥の藤田平太郎が購入し所蔵。
平成29年3月4日から6月11日まで「ザ.コレクション」という展示会で曜変天目が見れます。
出典:藤田美術館
藤田美術館(ふじたびじゅつかん) は大阪市都島区網島町にある、東洋古美術を中心とした大阪府の登録博物館である。常設展示は行っておらず、春と秋に3か月ずつ企画展の形でのみ開館するのが特徴である。運営は、公益財団法人藤田美術館。 引用:Wikipedia
京都で曜変天目を見たい〜大徳寺龍光院
こちらに収蔵されている曜変天目は堺の豪商「津田宗及」が所持していたといわれるものです。龍光院は黒田長政が創建。
ただこちらは完全非公開。「日本一見ることが難しい国宝」と呼ばれるほど見れることは稀。
公式ページもなく通常非公開です。残念。
場所は「京都府京都市北区紫野大徳寺町14」
まとめ
いかがでしたか。今回の鑑定団の「曜変天目茶碗」の話題をきっかけに、国宝や重要文化財などに興味を持ってきました。昔のすごいお金持ち、財閥の人がその恵まれた富を自分の欲だけに使うのではなく、美術館などを創建して未来の人たちに残そうという想いがすごいなぁ、と思いますし、尊敬です。これを機会に日本の国宝もの、文化財などの展示会を巡ってみたいと思いました。
何でも鑑定団の今後の対処の仕方はどうなるかわかりませんが、こういうきっかけをもらったので感謝です。いつも楽しみに見ているので今後も誠実に番組をずっと続けていってほしいです。